イマドキの仕事術は「スケジュールはスマートフォン、ブレストは手書きのノート」が基本。ただ、少し古い資料ですが2011年のミクシィリサーチ社の調査ではスマートフォンでスケジュール管理をしている人は全体の3割弱というのが実態の様です。
『小さな画面でスケジュールを入力したり1周間のスケジュールを鳥瞰的に眺めるのは難しい』という意見は根強く有り、スマートフォンでのスケジュール管理になかなか慣れない人も多いはず。
スケジュール管理はあくまで仕事の一部でしかありません。無理してスマートフォンを使うより手書きのシステム手帳をスマートに使えるワーカプレイヤーを目指しましょう。
手書きのシステム手帳は世界中の文具ブランドから販売されていますが、『100円ショップで売っている手帳でも十分使える』というブログが散見されます。
今回は手書きのシステム手帳の選び方と100円ショップの手帳を使ってみたレビューを紹介します。
外観を決める
システム手帳を選ぶ際に気をつけなければいけないのは、手帳の機能だけでなく見た目にも気を使う必要があるということです。
というのも、クライアントや上司などのあなたの評価を決める人の中には使っている小物で人を判断してしまう人がいるからです。
評価の仕方は人それぞれで、とにかく高級品を使うのが好きな人もいれば安物を使い倒すのが好きな人、身の丈に合ったものを選ぶべきと考えている人など様々です。
高級品を選ぶ必要はありませんが、大学ノートで打合せに参加するのも考えものです。不本意な減点をされない程度に良い物を選びましょう。
デザイン・素材
牛革や合革で作られた手帳は高級感があってマネージャークラスに人気が有ります。色は黒かブラウンがよく使われます。いずれも落ち着いた印象が有ります。
ただ、クリエイターに人気の有るモレスキン社のクラッシックノートは少し厚みの有る紙製のカバーを採用しています。
あくまで印象が大切なので、無駄に豪華な手帳にするよりは清潔感があって落ち着きのある色合いのものを選んだほうが無難です。
綴じ口
綴じ口は大きく分けて2タイプあります。バンドで固定するものとボタンやベルトになっているものです。
鞄の中で開いて中の紙が曲がったりしないための工夫なのですが、どのタイプを選んでも問題ありません。ベルトになっているものがお洒落で人気があります。
バンドで固定するタイプはバンドが切れてしまわないように注意する必要が有ります。ボタンやベルトになっているものは分厚くなるので鞄が薄いと邪魔になるかもしれません。
綴じ口に何もない場合は手帳バンドをつけると良いでしょう。ペンをさせるタイプであればペンケースが不要になるので便利です。
中身を確認する
製本の状態
製本は糊付けするタイプと糸で縫うタイプがあります。
糸で縫うタイプは強度が有りますが、糊付けするタイプはページ数を多くすることができます。著者の経験では糊付けしたタイプは時間が経つとページが剥がれてしまうのであまりお勧めできません。
また、ルーズリーフの様にリングになっているタイプもあります。このタイプはページをめくりやすく強度も有るのですが、手帳が分厚くなったりリングが邪魔で文字を書きにくくなったりします。見開きでマインドマップを書くという用途には向いていません。
カバー
カバーは厚紙タイプと柔らかい革タイプが有ります。厚紙タイプは折り曲げることができないのでページをめくるときは両手を使わなければいけません。
ただ、下敷きがあるのと同じなので立ったままメモをとるには向いています。
無地/罫線/モジュール
予め日付や1周間のタイムスケジュールが書かれているモジュールタイプと、自由に記入できる無地/罫線タイプがあります。
モジュール派と無地派で大きく意見が別れるのですがほぼ好みの問題です。
スケジュール管理が主な仕事であればモジュールタイプがおすすめです。ただ、ノートのスペースが少ないので別途ノートを用意しておいた方が良いでしょう。
クリエイティブな仕事であればマインドマップを書いたりアイデアをブレストできる無地/罫線タイプがおすすめです。スケジュールは手書きで作るか、EXCELで印刷して貼り付けましょう。
ちなみに著者はBJSMとGTDを運用していて企画の仕事が多いため罫線タイプか無地で薄いチェックが入っているものを愛用しています。
また、ノート術等のビジネス書に書いてあることを実践する際はフォーマットを自由に決められる無地/罫線の方が使いやすいです。
ペン差し・カード入れ
ペン差しがあるとペンケースを持たなくて良いので打合せに手帳一つで出席できます。
手帳が大きくなりがちなので、新聞記者や医療関係者の様に手帳を蓄積していくタイプの仕事をしている人には向きません。ペン差しやカード入れが無い手帳を選んで手帳バンドを付けるようにしましょう。
サイズ
手帳のサイズは好みによりますが、B6タイプ(少し大きい文庫本くらい)がお薦めです。必要十分なスペースがあり、鞄にもスッキリ収納できます。
設計の仕事をしている人はもっと大きい無地のタイプが良いと思います。
ダイソーの100均手帳を使ってみた
普段はモレスキンのクラッシックノートシリーズを使用しているのですが、ダイソーでモレスキンにそっくりな罫線タイプの手帳があるというので使ってみました。
外観
モレスキンにそっくりです。ただ、モレスキンと比べるとページ数が少なく、紙質も少し劣ります。ちなみにモレスキンは192ページ、今回使用したものは144ページでした。
色合いに安っぽさは感じられません。ずっとモレスキンを使用していたので見慣れているだけかもしれません。
綴じ口は写真のとおりバンドです。少しゆるい気もしますがページが勝手に開くのを防ぐには十分です。
中身
製本は糸で8箇所縫っています。破れたり剥がれたりはしそうにありません。
カバーはハードカバーで安定感が有ります。
26行の罫線タイプでシャープペンシル、ボールペン、フリクションでそれぞれ文字を書いてみましたが裏写りや穴が空くこともありません。
ペン差しはありませんが手帳バンドを持っていたので付けてみました。問題なく使えそうです。
サイズはモレスキンと同じB6タイプを使ってみました。慣れのせいかもしれませんが全く問題ありません。
総評
全く問題なく使えそうです。正直なところ、ショックです。
モレスキンの同タイプが1冊2,000円くらいするのですが、ダイソーだと20冊買えてしまいます。これだけ安いと遠慮無くブレストやメモとして使えます。
ちなみにモジュールタイプの手帳も有りました。カバーが合革のものもありデザイン面の問題もありません。価格はもちろん100円。
機能だけならダイソー。時計のように高価でもブランドにこだわりたいならブランドの付いた手帳をおすすめします。
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